あなたの写真は現像でもっと良くなる。part6 想像力で作る超現実的な写真

ドギツイ現像をすることに対する悪いイメージ?バッシング?みたいなのがあります。
加工しすぎだとかあんなのは写真じゃないとか言われるわけです。

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しかし写真というのは撮った人のものですから
その人が煮て食おうと焼いて食おうとその人の自由なわけです。

あんなのは写真じゃない、と言い張る人の論拠は「見たままを写すのが写真であり、ドギツイ写真は現実の改変だ」みたいなものですが
見たままを四角く切り取っている時点で写真は現実を改変しているわけですし
そのわりにモノクロ写真の風当たりが弱いあたりに、そういう人の論拠の弱さを感じます。

いずれにしてもanyway
写真を絵みたいにしようが緻密に風景を描こうが撮った人の自由でしょう。好きに行きましょう。


▽rawを開いたところ
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古いベントレーです。
非常にかっこいい車なのですが、なんというか眠たい写真ですね。
全体に暗部の多い写真なので、真っ黒底上げ法で現像していくことにしましょう。

▽ハイライト・シャドウ・黒レベル・露光量を調整したところ。
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いきなり4つもパラメータを動かしています。
「ハイライト下げ シャドウ上げ」はよくあるパターンで、特に車の映り込みをリッチに描くときに有効です。
車はコントラスト高めにバチっと現像することがほとんどですが、
単にコントラストをあげて、この写真のように黒レベルを下げる、という手法だけだと単に黒潰れした部分の多い
ディテール感、映り込み感の少ない写真になりがちですので
シャドウを上げることでそれを抑え、暗部の描写を豊かにします。
ハイライトを下げるのも、映り込みのハイライトになりぼやけている描写をハッキリさせる効果があります。

この写真の場合も、この操作だけでかなりぱちっと目が覚めたような描写になりました。

▽かすみの除去をかける
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かすみの除去も車の光沢感を出すのに非常に有効です。
しかし、かすみの除去はその性質上、全体に暗くなるので、強くかけるときには、露光量の調整とセットで考えるといいでしょう。

▽露光量を上げる
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というわけで露光量を上げて調整します。
見違えるように光沢感のある絵になりました。
通常だとここまでのレタッチは過剰かな、と思うところですが
今回はもともと絵的に仕上げたいと思っていたので許容範囲です。

▽トーンカーブを調整
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ここが今回のキモです。
トーンカーブの左下を動かすことで諧調のもっとも暗い部分の暗さをを調整することができます。
ちょっとうまく説明できないので各自やってみてください。
インスタグラムの「フェード」がほとんどこれと同じような感じで動きます。
ハマるとなかなか味のある絵作りができるのでここぞというときに炸裂させましょう。必殺技です。

▽明暗別色補正で暗部にシアンを足す
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撮って出し警察に現行犯で逮捕されるようなレタッチですが
暗部にシアンを足すと雰囲気ブーストできるので、ここまで露骨ではなくても
人物写真などでちょい暗部シアン足しをすると非常に有効です。
また、赤い車の現像のときにも、暗部にシアンを足すと、赤と補色の関係になるので、赤が引き立つ(ような気がします)ので、よくやっています。

こんな感じ(リンクです)

▽彩度を上げる
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もともとが淡い色調の写真だったので、シアン味が非常に強く出ていました。
なので、彩度を上げて色味をバランスさせます。

▽ノイズ軽減をかける。
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もともとISO500で撮った写真の暗部をあげて彩度をあげてと好き勝手やっているのでノイズ軽減をかけます。

▽upright補正をかける
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垂直に切り立ったようなグリルのピラーがパースで下すぼみになっていたので画像を変形させます。
ここでは自動を選んでlightroomによしなにしてもらっていますが、通常「垂直」か「自動」を選んでおけば間違いありません。
どうしても自動選択がうまくいかないときにはガイド付きを選択し、自分でガイドを引きましょう。

▽周辺光量補正の調整
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お決まりの周辺減光をかけます。
これも適当にかけると悪口言われますが、この画像のように思いっきり日の丸構図であったり、
明らかに主題に注目させたい時には当然有効な手段なので、隙あらば使っていきましょう。

▽円形フィルタ(反転)をかけて補正していく
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全体にフラットな絵なので、大き目の円形フィルタを用いて右上の描写をかえて絵の中に流れを作ります。
まずはかすみの除去をかけます。
「なんでかすみの除去をかけたか」を当然解説しなければならないのですが、光の当たり方が違う、というストーリィを演出するためにしたことなので
黒レベルの補正なんかでもべつに良かったと思います。

▽円形フィルタにカラーを追加する
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明暗別色補正でシアンを足したので補色に近いマゼンタっぽい色を足します。
グラデーションっぽくなって綺麗かな、と思いそうしました。

▽かすみの除去を調整
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ややかすみの除去が強くかかっている感じがしたので、ちょっと弱くする。

▽シャドウ・露光量を調整
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かすみの除去で落ちた分のトーンをシャドウと露光量でやや底上げ。

▽補正ブラシストロークの追加
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ヘッドライト、フロントグリル端、ボンネット端など強調したいところを選択し、

▽かすみの除去をかける
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特にヘッドライトがパッチリする効果が大きいです。

▽トーンカーブの調整
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黒の持ち上げがやや過剰かな?と思ったのでやや戻し。
この黒の持ち上げ、見るディスプレイやデバイスによって見え方が全然違うので正解とかは特にないです。
どうしてもiPhoneに最適化したいという人は一度jpgで出力してiPhone上で再度調整することを強くお勧めします。

▽トーンカーブをさらに調整
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ハイライトをやや強調し、写真全体が暗い印象にならないようにします。

▽というわけで完成。
AutomobileCouncil2016 Bentley


今回はかなりわざとらしい写真を作りました。
しかし誰もが自分の心奪われる対象を見た時には現実にそこにある物体が反射し網膜に届く光の情報を超えた、
感情に後押しされた強い印象を受けることがあると思います。
そんな時に撮った写真が「思うような光ではなかったから」といって捨てるのではなく
その時どういうふうに感じたのか、どうあって欲しかったのか、どうだったらそれが素敵に映るのかを
現像で試行錯誤することもまた写真だと思います。

エンジョイ~~~~・・・フォトッ♪

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by rossodino | 2017-12-08 00:12 | 現像 | Comments(0)